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想いに寄り添う家づくり「アトリエ橙+建築家・奥山裕生」(東京都・板橋区/練馬区)

アトリエ系設計事務所の働き方改革

<2018-04-21>

最近、建築業界でも、「働き方改革」という言葉をよく耳にするようになりました。

とはいえ、設計事務所、特にアトリエ事務所と呼ばれる建築家が主宰する小規模の設計事務所の実態は、まだまだブラックです。残念ながら、変わっていく気配を感じません。

小規模の組織なので、所長さえ、意識を変えていけば、変化しやすいはずなのですが、なかなかそうはいきません。その背景には、
「俺たちの時代は、残業100時間や200時間は当たり前。所長からの理不尽な要求も当たり前。でも、そういう時代があって、鍛えられたからこそ、今の自分があると思っている。だから、同じように所員を育てていきたい。」という意識があるようです。

たしかに私達の修業時代はそういう時代でした。正論かもしれません。でも、一方で、そのハードワークに耐えきれず、体調を崩し、心のバランスを失って、建築界から去って行ってしまった人も、数多く見てきました。それを生き抜いた人だけが残ればいいという考え方も正論かもしれません。

ただ、今の時代は、少子化が進み、労働人口が減少しています。また、今の学生さんは、就職する前に、ワークライフバランスという考え方をしっかりと持っていると聞きます。良いことだと思います。共働き夫婦も増えています。女性だけが仕事と家庭の両立に悩む時代は終わりを迎えるべきです。

今は、多様な働き方が求められている時代です。雇用される側がすでに変化しているのであれば、雇用する側も変化していかなければ、ミスマッチは解消しません。

所員を募集しているんだけど、全然、応募がないんだよね、という話をよく建築家仲間から聞きます。

実際に、今、大学の建築学科を出て、アトリエ系の設計事務所に進む人は、ほとんどいなくて、ハウスメーカーやゼネコン、役所を選ぶ人が多いそうです。また、本人がアトリエ系の設計事務所に興味を持っていても、親御さんに反対されてしまうというケースもあるようです。ご両親の気持ちとしては当然です。このままでは、建築家を志す人は減り続けてしまうばかりです。

建築家という職業は、素晴らしい職業だと思っています。仕事を通して、多くの喜びを得ることが出来、それを仲間と共有することが出来ます。

この仕事を健全に続けるためにも、「働き方改革」というものを正面から考えていきたいと思っています。

うちの事務所も、まだまだブラックな環境にあると自覚しています。改革の道筋はなかなか見えてこないのが実情です。好きな仕事だけをして、経営を成り立たせ、労働環境を守りながらスタッフを雇用するというのは至難の業です。

でも、それを成り立たせている設計事務所は必ずあるはずなので、理想だけで終わらず、意識を変えて、できることを一歩づづ、取り組んでいこうと思っています。

そして、そのことが事務所の将来の成長にも繋がっていくことを願っています。

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