インタビュー

建て主さんの本音?お世辞?

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大泉の家
練馬区

大泉の家

「建築家に依頼するのはお金持ちだけだという先入観がありまったく考えていませんでした。」

家づくりのきっかけはどのようなことだったのでしょうか?
住んでいた社宅の期限が決まっていたため、次の住まいに関してはわりと以前からいろいろと考えていました。また、新婚の頃から、いずれ家を買うならマンションより一戸建てをという希望を持っていました。ただ、当初は、土地を購入し建築家に設計を依頼する、という発想は全くありませんでした。
土地探しにおいて、どのようなことから始められたのでしょうか?
紆余曲折ありながら大泉学園というエリアを決め、最初の頃は建売業者のモデルハウスを見に行ったりしていました。でもなんとなく違うなあ、という感じがして、そして意外とコストも高かったので、だったらもう少し頑張って注文住宅にしたほうがいいのでは、ということになりました。
それから売り地の情報を得て最初に見に行ったのが、結局購入を決めた現在の土地です。南側が開けていて、土地の目の前が公園だったのが決め手で、わりと即決でした(笑)。それが2012年の春頃です。
建築家に依頼するという選択についてはいかがでしたでしょうか?
建築家に依頼するのはお金持ちだけだという先入観がありまったく考えていませんでした。なので地域の工務店の展示場に足を運んだりしていました。そんな中、建築家に依頼するという選択肢があるということを知り、私たちも一度話だけ聞きに行ってみようか、ということになりました。そしてその後、奥山さんの事務所を含めた複数の設計事務所を実際に訪問しました。

奥山さんに決めたのは、まず第一に、「事務所の雰囲気」と「話しやすさ」ですね。やはり設計事務所の家づくりというと作品性が高いイメージがあったので、こちらの話をきちんと聞いてくれるだろうか、言いたいことが言いやすい雰囲気だろうかということが気掛かりでした。その点が、奥山さんは安心できそうでした。

奥山さんの設計事例を見ると、「あ、住みやすそう」と思えるんですね。そういう設計の雰囲気って、「人の意見を聞き入れる姿勢があって生まれるもの」だと思うのです。

もう1点、奥山さんに決めた理由としては、「奥山さんはいい加減な家を作らないような気がした」という事です。私たちは結婚前にも家さがしをしていましたが、その頃は瑕疵住宅が大変問題になっていた時代でした。疑心暗鬼になり、日本で安心して住める家を購入するなんて夢のまた夢のように思っていた時もありました。そういう事もあり、構造などがしっかりして安全に住める家を私たちは何より求めていました。奥山さんのお話から、イメージや感覚だけでなく「住み手のことを考えた安心して住める家」を奥山さんは作って下さると思ったのです。
そうしてご依頼をいただきまして、設計打ち合わせが始まりました。打ち合わせ期間を振り返ってみて、いかがでしたでしょうか?
最初は、半年近くも設計期間がかかると聞いて、どうしてそんなに時間がかかるのか、正直、ピンと来ませんでしたが、終わってみると、あっという間の時間でした。そして、その時間が私たちにとっても、大変意味のある必要な時間であったことが理解できました。

現場がスムースに進み、また、その過程を楽しむことが出来たのも、設計打ち合わせにじっくり時間をかけたおかげなのだなぁと今は思っています。
現場の進捗も楽しんで頂けたようですね。
現場に行くと、どの職人さんも「いい設計事務所を選んだね」っておっしゃるんですよ(笑)。「奥山さんは住みやすい家をつくるから」って。

ある日塗装屋さんが、仕事しながら「大工さんが本当にいい仕事をしているから、自分も綺麗な仕上げをしてあげなきゃと思うんだ」っておっしゃっていたんですが、大工さんは大工さんで「奥山さんがきちんとした図面描いてるからちゃんとした仕事しなきゃね」っておっしゃってたんですよ。「現場でそういういい連鎖がつながって我が家が出来上がっていってるんだ」ということが実感できたので、完成してここに住み始めたら、その連鎖を引継ぎ、心地よい家庭を築いていかなければと思いました。

それから現場で奥山さんが「図面にないことを現場で突然指示する建築家がいるけど、それは建築家の負けだと思う」というようなことを大工さんとお話してたことがあったんですけど、それを聞いて私は奥山さんに頼んでよかったな~と思いましたよ。奥山さんって穏やかなんだけど、建築に対する情熱がすごいし、ぶれないですよね。